2020スーパー耐久参戦自粛について

ご無沙汰です!皆さんはお元気にされてましたか!?手塚は相変わらず元気です!

さて、今季のスーパー耐久シリーズですが、手塚が所属するテクノファーストは参戦を見送ることになりました。

チームが蔓延するCOVID-19に対する医療現場の現状を知り、今季はレース活動をするべきではないと言う判断が下されました。

2年連続シリーズチャンピオンを目指すために今まで準備を重ねてきましたが、僕はチーム代表の判断を全面的に支持したいと考えています。

今シーズンはCG ROBOT RTから86/BRZ Raceのみの参戦となりますが、どうぞ応援よろしくお願い致します。

来季にはテクノファーストがサーキットに戻って皆さんに勇姿を見せることができるよう、僕個人も感染拡大阻止に努められるように普段から生活をしていこうと思います!

決勝編 スーパー耐久第6戦<最終戦>岡山3時間耐久レース!

決勝の前に腹ごしらえ!!!

<信州郷土料理「こねつけ」>

 長野県千曲市にある老舗のたけうちおやき店様より、手塚が最近ハマっているこねつけの味噌味と野沢菜味を冷蔵配送していただきました。

 こちらはパワーの源として、メカニックなどのスタッフに食べていただきました。

 こちらは冷蔵or冷凍で全国宅配可能です!

たけうちおやき店
千曲市鋳物師屋95
026-272-3488

このあと一瞬にして無くなる。

11/10 (日)  決勝

 YouTube ライブ S耐TVはこちら

 日曜日も雨予報もない好天に恵まれました!マシンも路面のコンディションも良く、絶好の決戦日和です!

 グリッドウォークのインタビューは、S耐TV 00:32:55から

 スタート直後は混乱が続き、スタートを担当した大草はそれらを回避し、ペースを維持し続けます。

 その後、#68の後ろを追いかけ続け、レース開始1時間10分を超えたところで、トップを走っていた#62ル・ボーセのマシンのタイヤが外れてしまいコース上でストップ。FCY宣言が発令され、#68と#34は同時にピットインし、ドライバーチェンジ、タイヤ4本交換、ガソリン満タンのフルサービスを行います。

FCY宣言とは

*コース上やコース脇に車両が停止するなど、コース上に危険が存在するものの、セーフティカーを導入するほどではないと競技長が判断したときにFCYが導入されます。FCYが導入されると、イエローフラッグの振動表示『FCY』と書かれたボードが全てのオブザベーションポストで提示されます。各車両は車速を50km/hまで減速し1列の隊列を作って走行しなければなりません。

また、車速が50km/hに制限されていますが、FCY導入中の追い越しは禁止され、FCY中にピットインアウトすることは可能ですが、ペナルティの消化はできません

 大草→手塚はFCY宣言がされたら直ちにドライバーチェンジをする予定だったので、スタート直後からヘルメットを被って準備をしていたことが功を奏しました。首が疲れるかな~と思ったのですが、スティーロのカーボンヘルメットが軽かったおかげで全然平気でした!

手塚がピットアウトした直後にFCYからセーフティカー(SC)に代わり、ストップ車両を撤去するのに数周を要しました。S耐TV2:08:00

 手塚のスティントは、レース時間が残り1時間半を切った状態でFCYが出たら即ピットインし、前嶋選手と交代。若しくは約90分のロングスティントをこなし、再び大草選手に交代という2パターン用意されていました。

 結果は後者で、ストップ車両は出てもFCY宣言が出るほどでもなく、ただ前にいる#68埼玉トヨペットを追いかけるのみでした。コーナーの間隔が短いセクター3は、瞬きも呼吸もできないくらいの集中が続き、レース時間残り10分までプッシュを続けます。S耐TV3:16:12

 残り20分を切ったところでトップは#38muta、2位#15岡部自動車、3位#68埼玉トヨペット、4位#34テクノファーストで、手塚はピットインし、最後は大草にマシンを託しました。S耐TV3:38:18

 #15岡部と#68埼玉トヨペットの順位が変わらなければシリーズチャンピオン獲得になります。我々は今あるすべての力を使い切ったので、あとはこの2台の順位次第になります。

 しかし、#15のマシンにトラブルが出ており、レース時間残り5分で10秒以上あった差がどんどん縮まっていきます!ファイナルラップでは3秒以内になり、チーム全員でピットから#68の前で最終コーナーを曲がってくる#15岡部を確認し、

テクノファーストレーシングチームの
ST-3クラス シリーズチャンピオンが
確定しました!!!

 

シリーズポイントは#34 #68共に122点で、同点の場合は優勝回数によって決められます。#34はクラスで唯一2回優勝していたので、我々のチームがシリーズチャンピオンを獲得することが出来ました!

#34 TECHNO FIRST RC350
Rd.1 Rd.2 Rd.3 Rd.4 Rd.5 Rd.6
7位  4位 優勝 優勝  4位  4位

 開幕戦は準備不足と決勝中のマシントラブルで最下位に、第2戦はレースペースが悪く4位。

第3戦の24時間耐久レースでは、開幕戦終了後から行ってきたテストや準備が功を奏し、2位以下と大差をつけてのチーム4年ぶりとなる優勝。この流れに乗り、続く第4戦も優勝。手塚は3年連続オートポリス優勝を飾ることが出来ました。

 第5戦ではクラス最重量となる50㎏のウェイトハンデを積み、ブレーキの厳しいもてぎで4位につけます。この時11.5点差が3点差にまで縮められてしましました。

 そして今回の最終戦では、3時間と言う短いスティントを重いマシンで常にプッシュし続けて執念の4位。ポイントは同点となり優勝回数の差でチームは5年ぶり、手塚は2年ぶりのシリーズチャンピオンを獲得することが出来ました。

 今回シリーズチャンピオンを獲得することが出来たのは、皆様のサポートと熱いご声援のおかげです。本当に感謝の念が堪えず、それを結果でお返しできたことに本当にうれしく思っています!

 来シーズンの見通しはまだ完璧には立っておりませんが、必ず今シーズンよりも輝けるように日々精進してまいりますので、どうか引き続き応援を宜しくお願いいたします。 

OBP MOTORSPORTS  手塚 祐弥

スーパー耐久第5戦もてぎ!

9/14-15に栃木県ツインリンクもてぎにて行われたスーパー耐久シリーズ第5戦もてぎ5時間耐久レースのご報告です!

いつも現地やSNSなどで激励の言葉をくださり、本当に感謝してます!

 福井県鯖江市を拠点にフレームもレンズもすべて自社で生産する
株式会社シューユウ様より、同社ブランドの「DEEC」の発売前の新商品の
ドライビングサングラスをご支援頂きました!!!(下画像中央)。

 僕からの要望で、頭の上でも存在感を出せる物という事で、グリーンのレンズにチタン製のシルバーのフレームになりました。

 おかげで「俺がいるぞ!」と存在感を出せることが出来、大変満足しています。

 本当にありがとうございました!

株式会社シューユウ
DEEC DRIVING SUNGLASSES

 また、僕が四輪レースに乗るきっかけを作ってくださった栃木スバル自動車株式会社様が、「レースを通してモータースポーツや車に関わることへのモチベーションを高めて欲しい」という事で、今年度の新入社員の方々を連れてチームに訪問に来てくださいました!

 金曜日から入れ替わりで合計10数人来てくださり、間近で見るレーシングカーに興奮されていたようです。  

皆様に喜んでいただけて良かったです!これからもスバルファン、スバルオーナーのためにお仕事頑張ってください!!

栃木スバル自動車株式会社

9/14 (土) 予選

 まずはスーパー耐久のウェイトハンデについて!
 決勝の順位の1~3位までは次戦以降は下記の重りをマシンに載せなくてはなりません。

ST-Xクラス/ST-1クラス
1位:30kg    2位:20kg    3位:10kg

ST-Z / ST-TCR /ST-2 /ST-3 クラス
1位:25kg    2位:15kg    3位:10kg

ST-4クラス/ST-5クラス
1位:15kg    2位:10kg    3位:5kg

このウェイトは、次戦から数えて3レースの間載せなくてはならず、予選やレース中のタイム、ブレーキやタイヤへの負荷などに影響していきます。

<僕も出場するスーパーGTでは、ある程度のウェイトと引き換えに「燃料リストリクター」というエンジンパワーを意図的に落とすパーツを組み込むことが出来ます。また、最終戦では全車両ウェイトを全て下ろし、ガチンコ勝負になります。>

しかし!スーパー耐久では今シーズンから最終戦のノーウェイト制度が無くなりました

最終戦は第6戦になるので第3,4,5戦の結果によるウェイトハンデを背負わなくてはなりません。

 今大会のもてぎ戦は第3,4戦で2連勝したこともあり、34号車には50kgのウェイトハンデがあります。よって車重1,410kgに加えると合計1,460kg +ドライバーの重量(約70kg)となり、1,500kg越え・・・・・。レーシングカーとしては非常に重い方というかノーマルと変わらないじゃないか!!!

左上に10kgと書かれたステッカーが5枚貼ってあるのがわかる

 

 

 そのため、ブレーキに厳しいサーキットで有名なツインリンクもてぎでは、マシンセットに非常に難儀しました。またロールなどの荷重移動の量も非常に大きいため、タイヤへの負担が大きくなってしまい、決勝レースへの心配が増えてきました。

 

メカさんたちに夜までマシンのメンテをしてもらっている

 エンジニアやメカニックとミーティングを重ね、なんとか木金曜日のうちに周りと同じくらいのペースで走れるようになって来ました。

 予選では計測周回中にS字コーナーでコースアウト車両が発生し、砂利がコース全体にばら撒かれてしまい、計測失敗、、、。砂利が減ってきた時の計測3周目にベストタイムは出しましたが、予選開始直後にコースインし、計測2周目にベストタイムを出すようにタイヤを温めていたため、タイミングが悪かったとしか言いようのない結果になりました、、、。くやし~~~!!!

予選結果:Aドラ3位、クラス4位

9/15(日)決勝

 決勝日は非常に暑くなり、路温が50度近くに、、、。
 僕はスタートを担当し、ポジションアップを狙っていきました。しかし今週初めての高温の影響もあってか、高い路面温度でタイヤのグリップ感が一切なく、また、エンジンの水温の上昇が予想以上で思うようにペースを上げることが出来ず、大苦戦を強いられることになりました。

 6月から勝ち続けてきたため、前を走るライバルに置いて行かれていく感覚は無力感と悔しさと怒りで埋め尽くされていきました。しかし、自分の仕事は最善を尽くさねばと思い、必死に食らいついて走り続けました。

 最初のピットインでは手塚から大草に交代する際はタイヤを無交換で行く予定でした。高い路面温度と重い重量によりタイヤへの負担が大きくなりすぎないようにタイヤマネージメントを行い、41周を走り終えました。

 続く第2、第3スティントではFCY(フルコースイエロー)やSC(セーフティカー)の導入に合わせてピットインを行い、4位まで順位を戻しました。が、トップについて行けるほどのペースが無く、そのまま4位でチェッカーを受けました。

 地元で表彰台に立てず、応援に来てくださった多くの方々に良い結果をもたらすことが出来ず、悔しい結果になりました。

決勝4位

 今大会は2連勝したことによる50kgのウェイトハンデによるマシンのバランスの悪さで、思うようにセッティングが出来ませんでした。決勝後のチームとのミーティングを行い、最終戦へのプランを決め、チャンピオンに向けて準備を進めていきます。

 今回の結果で、ランキングトップは死守しましたがポイント差が3ポイントになってしまい、次戦では、埼玉トヨペットと一騎打ちとなり、前でゴールした方がチャンピオンになります。

次戦は11/9(土)~10(日)に行われる最終戦 岡山国際サーキット戦になります。

引き続き、皆様の応援よろしくお願いいたします!

スーパー耐久第4戦九州オートポリス!

7/20~21に行われたスーパー耐久(S耐)の第4戦のご報告です!
1週間経ってしまいましたが、、、(おかげでBFが捗りました・・・)レースウィークの模様をお届けしていきたいと思います!

7/18(木)の走行は、雨が豪雨か小雨かという状況で、まさに台風の天気でした。なので我々テクノファーストはチェック走行をしてこの日の走行は終了。一番雨量が多いときに走ったBドライバーの大草選手の話によると、「ハイドロがひどすぎてまともに走れない。」そうです。テントがつぶれるくらいの雨量だったもんね笑

続いて 7/19(金)。↓の画像をどうぞ、、、、、、、、、。

、、、、、、、、、、はい。いわゆるモーターチェンジ(エンジン交換)です。
 今回から使用しているエンジンだったのですが、7/18(木)から懸念されていたエンジンの不調が顕著に出てしまい、午後のスケジュールをキャンセルしてモーターチェンジを余儀なくされました。
 これにより今回のレースをスペアでもってきていた、24時間耐久で酷使したエンジンでさらにテスト不足の状態で戦わなければならず、非常に不利な状況になってしました。
 メカニック総出でモーターチェンジをしてくださったおかげで、その日の夕方ごろに載せ替えが完了し、エンジンの始動チェックなども完了しました。流石老舗のレーシングチームは仕事が速いぜ!感謝感激です!

7/20(土) 予選

 予選は台風予報にもかかわらず、ドライ路面で走ることができました!ここに来て運がいいぞ!
 夜まで頑張ってメンテナンスをしてくださったメカニックやチームスタッフのためにも予選でかましていきたいところ。、、、ですがマシンのテスト不足は否めず、僕のAドライバー予選でもセットアップすることに。結果は4位で、マシンのセットももう一歩のところまで来ました。
 ここからさらにBドライバー予選の時にもセットアップをした結果、何とか上位と僅差でのクラス4位になり、明日の決勝に希望が出てきました。
 

第1,2戦と結果が残せず、それでもチーム皆で団結して24時間耐久を勝ち取り、シリーズランキングを2位まで上げることが出来ました。
 ここ、オートポリスはCドライバーの僕の師匠でもある前嶋選手と以前所属していたチームで2017、2018年と2連勝しています。Bドライバーの大草選手もここは大得意。

 絶対に勝てると寝る前に自分に何度も言い聞かせました。

 

 地獄は地獄でも大分県別府市の 明礬地獄岡本屋 様から同社の看板商品の「天然地獄蒸しプリン」の差し入れを頂きました!僕の大好物でチームスタッフもすっかり元気になりました!

 届けてくださった別府市内の 鶏八 別府やまなみ店 様もおいしいパンの差し入れをいただき、チーム皆であっという間に頂きました。ありがとうございました。

7/21(日)  決勝 

YouTubeの S耐TV にて決勝が視聴できます!

 決勝当日は朝から雨が降ったりやんだりと、いやらしい天気でした。しかも一度振り出すと土砂降りになるのでピットでは大騒ぎでした。
 幸いグリッドウォークでは雨が止んでくれたので、お客さんやゲストの方々も雨にぬれずに済んだようです。

 

 スタート直前では雨量も減り、レインタイヤ装着で傘がいらないくらいの小雨でのスタートとなりました。スタートドライバーは僕が担当しました。

 やはり、24時間耐久レースで酷使したエンジンでは、#14#15の岡部自動車や#68の埼玉トヨペットに追いつく事はできてもバトルで前に出ることが厳しく、序盤から我慢のレースが続きました。

 そして周回を重ねるごとに路面の雨量も徐々に減っていき、レインタイヤには難しい路面になっていきました。

 トップを走る#62ル・ボーセは11周目にピットインし、スリックタイヤに変更。我ら#34と#68埼玉トヨペットはまだピットに入らず、走行を続けます。

 14周目に#68埼玉トヨペットがピットに入りますが、オートポリスはピットが狭く、こちらのピットの周りでは他車がピット作業をしているため、ピットインができず、続けて走行を続けます。

 16周目にようやくピットインし、前嶋選手とドライバー交代。レインタイヤからスリックタイヤに変更しました。

 路面が乾きかけたら雨が降ってきたりと、難しいコンディションの中、前嶋選手の好ペースで3位に浮上。2位との差も周回を重ねていくごとに徐々に縮まっていきます。

 レース開始2時間30分が経過したところで濃霧により*FCY(フルコースイエロー)が発動されました。
S耐TV2:40:28

フルコースイエローとは、、、

*コース上やコース脇に車両が停止するなど、コース上に危険が存在するものの、セーフティカーを導入するほどではないと競技長が判断したときにFCYが導入されます。FCYが導入されると、イエローフラッグの振動表示『FCY』と書かれたボードが全てのオブザベーションポストで提示されます。各車両は車速を50km/hまで減速し1列の隊列を作って走行しなければなりません。
 また、車速が50km/hに制限されていますが、FCY導入中の追い越しは禁止され、FCY中にピットインアウトすることは可能ですが、ペナルティの消化はできません

 このFCYが発動されたタイミングが我々にとって完璧のタイミングでのピットインでした。

 この時、3位を走る#34テクノファーストは
1位#62ル・ボーセ 40秒先
2位#68埼玉トヨペット 10秒先
のギャップがあったのですが、このピットにより2位の埼玉トヨペットを追い越し1位の#62ル・ボーセの10秒後ろの2番手でピットアウトをすることに成功!!!

 完璧なピットインにチーム全体が大騒ぎ!

 ここからはドライバー交代した大草選手が好ペースを見せ、#62ル・ボーセにテールトゥノーズになるまでに迫ります。

 しかし、レース序盤の私と同様に、エンジンパワーが足りず、オーバーテイクまで至りませんでしたが、ピッタリ後ろに張り付いて#62ル・ボーセにプレッシャーを与え続けます。

 レース時間が残り1時間15分ごろからまた雨量が増えてきました。残り1時間6分ごろになってからは本降りになり、かなり水しぶきが上がるようになってきました。S耐TV4:08:15

最終スティントまでに我々#34はギリギリまでスリックタイヤで耐えてからピットインし、レインタイヤに交換、ドライバーは手塚に交代しました。

 水しぶきと豪雨で前が見えにくいほどの雨量でしたが、マシンセッティングはしっかり決まっており、アウトラップから非常に良いペースで走行出来ていました。2位とのマージンも50秒近く稼ぐことができ、自信をもって走ることができました。

 ですが、レース時間残り50分ごろに豪雨による4回目のFCYが発動されました。今度は霧のため数分後にはSC(セーフティカー)に切り替わりました。そこから数周走ったら雨が弱まりましたが、テクニカルなコーナーが続く第3セクターの霧が濃くなってきたため、なかなか解除になりません。

 そしてレース時間が残り13分になったところで天候回復の見込みがないことから赤旗中断

 正式リザルトによる我々34号車の前回の24時間耐久に続いて2連勝が確定しました!!!また、単独ランキングトップになりました!

これで僕と前嶋さんのコンビでS耐オートポリス戦をST-3クラスで2017年から3連勝することが出来ました!

総評

 今大会では、7/18(木)は台風の影響による土砂降りでテスト走行を見送り7/19(金)はエンジン交換によるアクシデントで大幅なテストメニューの遅れがあり、決して順調な滑り出しではありませんでした。ですが、スタッフやメカニックの迅速で正確な作業によって予選を走ることができ、そして決勝での勝利へとつながっていくことができました。

 決勝中では、チーム全体で天候や路面状況、クラッシュ車両の有無などの情報を共有し、綿密な作戦と状況判断をした結果、目まぐるしく変わる天候にもかかわらず、予定通り、手塚→前嶋→大草→手塚と3回のピットインでゴールすることができました。

 あらためて、テクノファーストのチーム力と団結力により勝利することが出来ました。

次戦は9/14(土)~15(日)に行われる第5戦 栃木 ツインリンクもてぎ戦になります。ランキングトップで地元である栃木県に凱旋が出来ること、非常に胸が高鳴っています。

 また、今週末の8/3~4にはスーパーGT第5戦富士500マイルレースになります!僕の目標にしていたレースへの5月に続いて2度目の挑戦になります。

 どちらのレースも今後のドライバー人生にとって非常に重要なレースです。全身全霊を傾けて挑みたいと思います!

24時間耐久 決勝 <後編> 

こちらでは11スティントから15スティント(フィニッシュ)までを振り返っていきます。時間にすると、07:30~15:00までになります。

第11スティントでドライバーは前嶋選手から大西選手へ(S耐TV 00:32:50)。大西選手は順調に周回を重ねていきます(S耐TV 00:44:09)。

ところが、レース時間が残り7時間を切ろうとしているところで、大西選手がスピン!その模様はモニターにも映り、チーム全員の顔が青ざめました。

チームの皆が大西選手は凡ミスをするような選手ではないのを知っているため、ほとんどのスタッフはマシントラブルを疑いました。

原因は、コースのブレーキングポイントの路面がうねっていて、そこにさらにピレリタイヤのゴムが路面に蓄積されていき、ブレーキシステムが誤作動を起こしてタイヤロックしてしまったのでは?という見解に。

この後マシンをチェックしながら走行を重ね、これ以降トラブルは出ませんでした。ほかのマシンを巻き込まずに済み、不幸中の幸いでした。(S耐TV 01:02:48)

12スティントは手塚が担当しました。(S耐TV 2:16:50
日は上りましたが、このスティントではあまり気温と路面温度が上がってきていないため、引き続き慎重にタイヤマネージメントに努めました。この時点で2位との差が7周にまで広がりました。

7周といえば大差に聞こえますが、1周1分55~58秒なので多く見積もっても14分くらいの差。接触やトラブルでピットでの修復するとなった場合、簡単にひっくり返されてしまいます。

ここまで不眠不休で頑張ってくれているメカニックやスタッフの方々の頑張りを僕らドライバーで台無しにするわけにはいかず、夜が明けてからは周りの視界は広がりましたが、ナイトセッションよりも慎重に走るようにしました。

今回のレース中のタイヤ交換のルーティンは、スタート→左側前後交換→4本交換→左前後→4本と行っていました。

チームと悩みに悩みぬいた結果から導き出したマシンセットとタイヤマネージメントが功を奏し、周りが連発しているタイヤバーストは一切起きませんでした。

2位以下とのマージンを見つつ、念には念を入れ、チーム代表から出たオーダーは、

「コストは気にするな!絶対に勝ちを取りに行く!10スティントからゴールまで4本交換!」

後日調べたら、チームの勝利は2015年の岡山国際サーキットでの優勝が最後だったそうです。

僕がテクノファーストの代表にお誘いを受けた時に言われたのは、「もう負けるのは飽きた。次のシーズンは勝ちに行きたいから乗ってくれないか?」

ドライバーとしてこれほどうれしい言葉はありません。

レーシングドライバーとしての僕を必要としてくれる。

勝ちたいから来てくれ。

その期待に絶対に応える。

そう決心してチーム移籍を決めました。











・・・・・・・そういえば、

昨晩に引き続きチームオーダーも出ました。はい、チームオーダーです。(S耐TV 02:45:40

時刻は14時10分。レース時間は残り50分というところで15スティントに突入。

タイヤは4本交換。

ガソリンは満タン。

ドライバーはレース歴31年の大ベテランであり、3年前に僕をスーパー耐久に誘ってくれた師匠でもある前嶋選手。

10数年前に北海道の十勝スピードウェイで行われていた24時間耐久にも何度も参戦したが、ついに一度も勝てなかったそうです。

今回はゴールを担当していただきました。

この時点で2位との差は11周。時間にして約19分40秒。

チームは勝利を確実なものにするためにラップタイムを10秒遅く走る作戦を決行!

そして15:00。

720周を終えてノーペナルティ、ノートラブルで優勝しました!!!

720周というのは去年の24時間耐久のST-Xクラスとほぼ変わらない周回数になります。それほど今回のレースはクリーンなレースだったのでしょう。

2位だった39号車は僕が去年まで走っていたマシンで、元チームメイトのドライバーが2人います。

なので表彰式はどんちゃん騒ぎに!!!(S耐TV 04:04:05)

優勝後の記者会見(S耐TV 04:28:25)。次戦以降の意気込みなどを話しました。

今年は確実にチーム力での勝利だったと感じます。チームスタッフは24時間にも及ぶロングランで、非常に緻密に、何パターンも計算しており、十勝24時間耐久経験のある老舗チームの力を肌で感じることができました。

僕らドライバー組は、序盤からペースを上げていけばトップを独走する自信はあったのですが、あえてそれを行わず、1周を速く走るのではなく、100周を同じくらいのタイムで走って、マシントラブルなどのロスをしないように努めました。

そのおかげで2位と11周、3位と45周も離してフィニッシュすることができました。

この場を借りて、僕らを応援してくださったすべての皆様に心から感謝いたします。

皆様の応援でシリーズチャンピオンへの道が残りました。

今後も34号車、TECHNO FIRST RC350 と僕の応援をよろしくお願いいたします。

レース1週間前に出たオートスポーツでの記事。

「借りは富士で返す。」

有限実行って気持ちいい。

富士24時間耐久 決勝 <前編>

だいぶ遅くなりました・・・ごめんなさい。
ここでは6/1~2に行われたスーパー耐久シリーズ第3戦 富士24時間耐久レースの決勝の模様をご報告いたします!

決勝は、僕が所属するテクノファーストレーシングチームは24時間を1スティント約90分間 ✕ 15スティントに分けて走りました。


スティントとは耐久レース用語で、マシンがピットインから次のピットインまでに走行する時間のことで、かなりの数のチームが各スティントごとにドライバーチェンジをします。この各スティントは燃費やタイヤの消費をどれだけ抑えられるか、トラブルや他のマシンとの接触などのアクシデントを起こさず走れるかで時間が変わっていきます。

いつもは3人でレースを走っていますが、今回は24時間耐久。体力の限界でミスをしてしまったら一大事。というわけで、今回は助っ人の4人目に86/BRZ Raceなどのワンメイクレースに長年参戦し、テクノファーストとも縁が深い大西隆生選手をお迎えし、万全の態勢で挑むことになりました。

さて、決勝日ですが、前日の予選日とは違い、曇り空で気温や路面温度もあまり上がっておらず、比較的マシンにやさしいコンディションでした。
しかし、路面温度が低いということはタイヤに熱が入るのに時間がかかるため、無理に攻めるとタイヤを痛めてしまう=スティントが短くなる可能性がありました。そのため、チームミーティングでは「序盤は無理してバトルをせずにタイヤライフと燃費計算を徹底して行い、作戦を煮詰めていく。」ことにしました。

スタートはBドライバーの大草選手が担当し、クリーンスタート。
後続からペースが速いマシンが来ますが、落ち着いて対処します。
5番手を走行中に前を走っていたマシンに次々とアクシデントが起こり、3番手に。ペースはトップと変わらない速さで走っていたため、勝負権を残してピットイン。
第2スティントは前嶋選手。非常に良いペースで走り、トップに追いつきます。ブロックするトップに対し、ヘアピンで外から抜こうとしますが、押し出されてしまい、フロントバンパーに軽い接触(S耐TV 4:07:09)。ですが、すぐに持ち直し、持ち前のマシンコントロールにより、タイヤを温存し、さらにトップに躍り出ました。

第3スティント(18:00~19:30)は手塚が担当しました。ピット作業中にトップを奪われてしまったため、タイヤマネージメントをしつつ、トップを追いかけました。そしてトップに追いつき1コーナーでオーバーテイク!トップ奪還です!(S耐TV 52:50)。その後は暗くなっていくコースに目を慣らしながら、後ろとの差を広げることに集中しました。

今回、34号車テクノファーストはST-3クラスで唯一中継用の車載カメラが搭載されています!
その様子は J SPORT や YouTubeライブのS耐TVにて中継が映っています(S耐TV 01:22:05)!!!ナイトセッションの暗さをぜひご覧ください!

第4スティントは大西選手が担当。なんと非常に夜目が効くそうで非常に良いペースで走られていました!
途中何度かほかのクラスに接触されそうになったそうですが、目が見えるのを武器に回避し、無傷のままナイトセッションを走り切りました。

6/2 AM02:00~ 第8スティントは手塚の担当です(S耐TV 00:38:43)。丑三つ時に御殿場の百鬼夜行に加わりました。・・・というのは半分本当で、スタートから12時間が経過して夜中の走行となると、マシン同士の接触やマシントラブルが増えていきます。自分が注意して走っていても周りからぶつけられてしまうことも、、、。ぶつけられないこともテクニックと言われる耐久レースですので、 遅いマシンを無理して抜かない後ろとの距離感を常に把握する、これだけを考えて 細心の注意を払って周回を重ねていきます。
このころには2位との差が6周にまで広がっていき、我々は ルールにある、レース20時間経過までに10分間以上のピットストップを行う<リペアタイム>を用いてマシンのチェックとブレーキパッドとローターの交換を行いました。


さらっとブレーキパッドとローターの交換と言っていますが、たった今まで走行していたマシンのブレーキパーツの温度は300~500度はあります。それを10分以内に交換するのです。メカニックの皆さんの手際の良さには本当に感動します。
結局9分でマシンは走行可能の状態に!素晴らしいピットワークでした。

24時間耐久用に大型フォグランプを装備

そして決勝がスタートしてから15時間が経過。メカニック、チームスタッフ、ドライバー、チーム一丸となってそれぞれの役割を全力でこなした結果、ナイトセッションを切り抜け、トップを一度も奪われることなく朝日を迎えることができました。

しかし、ゴールは15時!まだ9時間もあります。疲労困憊で満身創痍の時に見る朝日は非常にこたえます・・・。しかし、メカニックやスタッフはほとんど不眠でドライバーを支えてくれていて、毎回のピットインでは素晴らしいピットワークをしてくださいました。それに応えるにはやはり自分の走りしかないでしょう。

予想以上に長くなってしまいました、、、。続きは後半で!

ST-3クラスについて!

決勝のレポートをする前に、ピレリスーパー耐久シリーズ(通称S耐)の中の僕が走っている<ST-3クラス>について簡単に説明します!

現在、S耐では8つのクラスに分かれてそれぞれのクラス優勝を目指してレースが行われています。内訳は下記の通り、

ST-X:FIA-GT3 公認車両(GT300クラスと同じマシン!)
ST-Z:FIA-GT4 公認車両 (GT3車両よりもリーズナブルでより市販車に近い!)
ST-TCR:TCR企画車両(WTCRと同じ規格の前輪駆動で1.7~2.0のターボ車)
ST-1:上記以外の車両(ポルシェカップカーとか)
ST-2:排気量2,001~3,500ccまでの4輪駆動or前輪駆動の車両
ST-3: 排気量2,001~3,500ccまで の後輪駆動の車両
ST-4: 排気量 1,501~2,000ccまでの車両
ST-5: 排気量 1500cc以下の車両

となっています。

僕が走っているST-3クラスは 排気量2,001~3,500ccまで の後輪駆動の車両 が走れるクラスで、かつてはRX-7(FD3S)やNSX、BMW M3などが走っていました。
現在はレクサスRC350が4台、日産フェアレディZ34が2台、トヨタマークXが1台の3車種7台によって争われています。
車に詳しい方ならお気づきかと思いますが、レクサスRC350とマークXは新車の設定にマニュアル(MT)がありません(マークXはGRにのみ設定あり)。
そのため、特認という形でシーケンシャルミッションの搭載が許可されています。そのため、シフトチェンジがミスなくスムーズに行えるようになっています。
また、年式の新しいRC350とマークXに対して、長年走り続けマシンが成熟されたZ34は排気量3,700cc!ほかの2車種は3,450ccくらいなので 排気量が 約200cc大きいことになります。そもそもST-3クラスは3,500cc以下のクラスなのですが、先代のZ33が3,500ccでレギュレーションに合致していたこと、排気量のままクラスを変えるとポルシェカップカーなどが走るST-1クラスになってしまうことなどの理由で、ST-3クラスで走っています。
しかし、ここ数年はトヨタ系高級車組の開発が進んでいき、ラップタイムでも大きく差がついていきました。そこで2018年から性能調整で各車種の最低重量が大きく変わっていき、2019年では下記のように、
レクサスRC350:1,410kg
トヨタマークX:1,390kg
フェアレディZ34:1,300kg
となりました。RC350重い!!!ノーマルと変わらないんじゃ(笑)

・・・と、このように軽さを活かしてクイックに走っていくZ34とグラマーな車体をシーケンシャルミッションでパワフルに走らせていくRC350とマークXという構図で戦っているST-3クラスです!

噂では新型スープラはST-3クラスなのでは!?という話もちらほら聞きます。
メーカーから購入して走らせているGT3,GT4,TCRのマシンたちは勿論かっこいいですが、ST-2,3,4,5クラスはチームが市販車を購入し、ファクトリーで作り上げたレーシングカーなので、こちらもぜひ注目してくださいね!

それでは次回は富士24時間耐久の決勝のお話をいたしましょう。サヨナラ!

スーパー耐久第3戦 富士24時間耐久<予選編>

皆さんこんにちは!
今回は6/1,2 に静岡県御殿場市にあるサーキット、富士スピードウェイで開催された「ピレリスーパー耐久シリーズ第3戦 富士24時間耐久レース」のご報告をしたいと思います!
なぜ今になって24時間耐久のレポートなのかというと、僕がこの新しいブログの投稿の仕方に慣れたい!というのと、7/20,21 に大分県で行われる第4戦オートポリス大会に向けて気を引き締めたいという気持ちがあるからです。
是非お付き合いください。。。

24時間を戦いきるため、電気抵抗によるマシンのロス=ダメージを最小限に抑えるために 今回のレースから僕の個人スポンサーである、ICE FUSE(アイスフューズ)様 にRC350用に新製品の<ICE WIRE> <ICE BOLT><ICE GREASE>のご支援をいただきました!
おかげで24時間ノートラブルで戦い抜くことができました!

               予選結果
先日から詰めていたのは決勝用のセッティングで、これは非常に決まっていたのですが、予選用のセットは全く詰めていませんでした、、、。
ですが、前日のテストでニュータイヤを使用した時、マシンのバランスが良かったので、非常に良いイメージをもってアタックができました!
しかし、、、1位の埼玉トヨペットの服部選手からは0.7秒も離されてしまい、Aドライバー予選は2位。ポールポジションを譲る形となりました。くやし~!!

ちなみに予選後に服部さんにたまたまお会いしたときは、「なんであのタイムが出たのか僕もわからない~(笑)」とのこと、、、。ST-3クラスのベテラン(レジェンド)の方々はまだ伸び盛りなのでしょうか・・・笑

というわけで、Bドライバーの大草選手も頑張ってくれて、予選はST-3クラス2位という結果でした!
これはあくまでゴールから24時間前の結果であり、2番手スタートなら勝機は十分にあるので、自信をもって決勝に臨みました。

次回は決勝編で!その前に番外編をやるかも???

予選総合結果:A+Bドライバーの予選のベストタイムの合計で決勝のグリッド順が決まる。